養子縁組で必要となる「同意」とは

養子縁組【民法と戸籍の観点から】TOP>養子縁組で必要となる「同意」とは

■養子縁組届を届出る際、同意が必要なケースについて

「ここでは養子縁組の際、『同意』が必要となる各ケースについて解説していきたいと思います。」
「同意?家庭裁判所からの許可とかではなくてですか?」
「はい。家庭裁判所からの許可とは違います。
実は養子縁組の際、ある一定の者からの同意が必要となるケースがいくつかあります。」
「へ〜、そんなケースがあるんですか」
「ちゃんと法律で規定されている養子縁組の要件なので、
これらの同意がないと、養子縁組届は受理されませんので、
しっかりと知っておく必要があります。」
※このページでは普通養子縁組についての解説となります。

スポンサーリンク


養子縁組で同意が必要となるケース@
養親が夫婦の場合、夫・妻のうち片方だけが養子縁組をする場合

「養親が夫婦である場合で、夫・妻のうち片方だけが養子縁組をする場合、
養子縁組をしない方の配偶者からの同意が必要となります。
もちろん未成年者を養子にする場合は夫婦がそろって養子縁組をする必要がありますので、
同意が必要な場合とは、成人した者を養子とする場合です。(養子縁組の条件を参照)」
「同意…って、具体的にはどうするんですか?」
「養子縁組届を届出る際に、養子縁組をしない方の配偶者の同意書を添付するわけです。
または、養子縁組届の「その他」の欄に、同意する旨を書き、署名押印をすればそれでもOKです。」
「ではその同意書とか、養子縁組届のその他の欄に書く同意の書き方ってどうなりますか?」
「はい、下記の通りとなります。」

■養子縁組の同意書を添付する場合の文例

養子縁組同意書



養親になる人 ○○ ○○
本籍 青森県○○市○○町一丁目111番 (←※養親となる者の本籍)
住所 青森県○○市○○町一丁目123番2号 (←※養親となる者の住所)
平成○○年○月○日生まれ

養子になる人 ○○ ○○
本籍 青森県○○市○○町二丁目222番 (←※養子となる者の本籍)
住所 青森県○○市○○町三丁目333番 (←※養子となる者の住所)
平成○○年○月○○日生まれ
父 ○○ ○○
母 ○○ ○○

上記の配偶者の養子縁組に同意します。

平成○○年○月○日

本籍 青森県○○市○○町一丁目111番 (←※養親となる者の配偶者の本籍)
住所 青森県○○市○○町一丁目111番1号 (←※養親となる者の配偶者の住所)

同意者 養親になる人の夫(または妻) ○○ ○○ 印 (←※自署・押印)

■養子縁組届の「その他」の欄に同意する旨の記入をする場合の文例


上記 ○○ ○○(養親となる人の氏名)の養子縁組に同意します。

○○ ○○(養親となる人の配偶者の氏名) 印

スポンサーリンク



養子縁組で同意が必要となるケースA
養子となる者に、親権者とは別に、監護者がいるときの養子縁組の場合

「養子となる者が未成年者で、親権者とは別に監護者がいるときには、その監護者からの同意が必要となります。」
「…何言ってるかさっぱりわかりません。」
「監護者とは、子供を手元において育てている者のことを言います。
そして、例えば夫婦が離婚し、その間の子供について、父親を親権者とし、母親を監護者としたいとします。
子供を手元において実際に育てているのは母親だけど、戸籍を見ると親権者は父親になっているという状態です。」
「そんなことができるんですね。」
「はい、離婚の際の取り決めで、そういうふうにすることができます。
それで、養子縁組をする際の届出人は親権者なんですけど、
監護者の同意がなければ養子縁組はできないことになっています。」
「なるほど、そういうことなんですね。」
「こちらも同意の仕方は、養子縁組届に監護者が署名押印した同意書を添付するか、
もしくは養子縁組届のその他の欄に、監護者が同意する旨の記載をし、署名押印することになります。」

養子縁組で同意を要しない成年被後見人の養子縁組
「ところで、養子になろうとする人、もしくは養親になろうとする人が、成年被後見人であった場合は
その養子縁組について成年後見人の同意は必要ではないのですか?」
「はい、必要ありません。法律でそう規定されています。」

民法第799条 (婚姻の規定の準用)
第738条及び第739条の規定は、縁組について準用する。

民法第738条(成年被後見人の婚姻)
 成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。

スポンサーリンク


↓他にも養子縁組について様々な知識を紹介しています。↓
養子縁組【民法と戸籍の観点から】TOPへ