実父母から養父母へ【親権の変遷】

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■実父母から養父母へ、親権はどうなっていくのか

「養子縁組をすると、親権ってどうなるんでしょう。
最初は親権って、実父母にあるんですよね?」
「そうですね。ネグレクト等で親権を喪失するような特殊な事情でもない限り、
実父母の方が親権を行使しています。」
「それで養子縁組をすると、その子供は養父母の養子となるわけですよね。
親権はどうなりますか?」
「子供の親権者は、実父母から養父母へと変わります。
養父母はそれぞれその子の共同親権者となるわけです。」
「共同親権者…、つまり養父も養母もどちらも親権を行使できるというわけですね。」
「はい、そうなります。」


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「では、養子縁組をしたあと、更に養子縁組をした場合の親権はどうなりますか?」
「この場合、親権は、1度目の養父母から2度目の養父母へと変わります。
2度目の養父母が、やはり共同親権を行使することとなります。」
「一番新しい養子縁組を結んだ養父母が、その養子の親権を行うこととなるわけですね。
ところで、子供が成人した場合の親権ってどうなりますか?」
「親権は未成年の子に対して行われるものですから、成人したら、当然に親権は行使できなるなります。」
「なるほど、わかりました。
では次に、例えば養父母の方が事故で亡くなった場合、その養子の親権はどうなるのでしょうか。
実父母が当然に親権者となるのですか?」
「いいえ、違います。養父母の方が亡くなったからといって、当然に実父母に親権が復活するというものではありません。
養父母が亡くなり、親権を行使する者がいなくなった場合、後見が開始されることとなっています。
でも離縁した場合は、実父母の親権が復活します。
死亡した場合と、離縁した場合とではちょっと違ってくるんですね。」

民法 第838条 
後見は、次に掲げる場合に開始する。
一 未成年者に対して親権を行う者がないとき、又は親権を行う者が管理権を有しないとき。
二 後見開始の審判があったとき。


第811条 縁組の当事者は、その協議で、離縁をすることができる。
2 養子が15歳未満であるときは、その離縁は、養親と養子の離縁後にその法定代理人となるべき者との協議でこれをする。
3 前項の場合において、養子の父母が離婚しているときは、その協議で、
その一方を養子の離縁後にその親権者となるべき者と定めなければならない。


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「では次に、養父母が離婚した場合の親権はどうなりますか?」
「養父、養母、どちらかが養子の親権者となります。
養父母が離婚した場合、共同親権から単独親権となるわけです。」
では最後に、離婚歴のある女性が再婚し、その再婚相手の方と連れ子が養子縁組をしたが、
その後、離婚した場合の親権者はだれになりますか?
「再婚し、その再婚相手の方と連れ子さんが養子縁組をした場合、
実母と養父が共同親権を行うこととなるわけです。
しかし、その後離婚した場合、多くはその連れ子さんとの養子離縁をすると思います。
なので、実母が単独親権者となるわけです。」
「なるほど、わかりました。」


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