夫婦が養子となる場合の戸籍

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「夫婦が養子になる場合の戸籍について教えてください。」
「わかりました
そうですね、具体例を挙げて説明した方がわかりやいですね。」
「では、40歳の夫と38歳の妻である夫婦が、それぞれ67歳の独身男性の養子となる場合です。
この67歳の男性は、40歳の夫の方の叔父になります。
夫が戸籍の筆頭者です。」
「なるほど。この場合、当然年下ということで、
その夫婦はどちらも67歳の男性の方の養子となることができます。」

■夫婦が養子となる場合の手続き
養子縁組届1枚だけで夫婦が養子となることができます。
「養子」のところに夫の氏名を書き、「養女」のところに妻の氏名を書きます。
この養子縁組届が届出されればそれで夫婦がそろって夫婦となります。
養子となる夫婦は成人しているので、この場合、家庭裁判所からの許可はいりません。
なお、養親となる者が、例え成年被後見人であっても、養子縁組の意味がしっかりと判断できる
判断能力があれば、後見人の意見は関係なく単独でできます。


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「ではこの夫婦が養子となった場合、
その夫婦養子の名字等の戸籍の動きはどうなりますか?」
「まず、養子縁組によって、養子夫婦の新戸籍が作られます。
それにともない、名字が養親と同じものとなります。」
「あ、夫婦が養親の戸籍に入るわけではないんですね。」
「現在の日本の戸籍では、夫婦である者については、
夫・妻どちらかを筆頭者とした戸籍がつくられることとなっています。
そして、養子は養親の名字を名乗ることとなっており、夫が筆頭者であったことから
夫が旧姓であった戸籍は除籍され、筆頭者の名字を養親の名字と同じにした
新戸籍が作られるというわけです。」

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「なるほど。わかりました。
では、この養子夫婦の間に、未成年の子供がいた場合、
この子供の戸籍の動きはどうなりますか?
自動的にこの養子夫婦の新戸籍に入ることになるんですか?」
「いいえ、残念ながら、養子縁組よって作られるのは新しい養子夫婦のみの戸籍となります。
養子夫婦の間の子供は、その夫婦の除籍された戸籍に残っている状態となります。」
「つまり…、その子はその子の両親が養子縁組をする前の名字となり、
養子夫婦とその間の子は、名字が違う状態になってしまうということですね。」
「はい、そうです。」
「それって生活していくうえで結構支障がある気がします。」
「だからもちろん子供を養子夫婦の新戸籍に入籍させる
入籍届という届出があります。
この入籍届に必要事項を記入して届出れば、子供は養子夫婦の新戸籍に入籍し、
同じ名字を名乗れることとなります。」
「なるほど。あれ、でも子供の入籍届って、
家庭裁判所からに「この氏の変更許可申し立て」をする必要があるんじゃなかったでしたっけ?」
「確かに、夫婦が離婚した際に、子供をお母さんの戸籍に入れる入籍届のときには
家裁からの子の氏の変更許可申し立てを申し立てなければいけません。
しかし、今回のケースの場合、夫婦が離婚していないようなケースでは、家裁からの許可は必要ではなく、
入籍届を役所に届け出るだけで、入籍できます。」
「なるほど。よくわかりました。」


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