養子離縁とは

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■養子離縁とは【種類や特徴について】
「養子離縁とは何ですか?」
「その名の通りですね。
養親と養子が離縁によって、養親子関係を解消することを指します。
養子離縁にも大きくわけて2つあります。」
「2つ?何と何ですか?」
「普通養子縁組の離縁と特別養子縁組の離縁です。
あくまで大きくわけてですが」


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「なるほど。ではまずは普通養子縁組の養子離縁の概要を教えてください。」
「普通養子縁組の養子離縁は、離婚の場合と同じように、
協議離縁と裁判上の離縁があります。」
「あ、そうなんですね。」
「協議離縁の方は、これも協議離婚の場合と同じく、
話し合いで養子・養親の双方が合意したのであれば、
どんな理由でも、または何の理由が無くても、
養子離縁届が受理されれば、養子離縁は成立します。」
「なるほど。では普通養子縁組における裁判上の離縁について
教えてください。」
「民法に規定があります。」

民法 第814条 (裁判上の離縁) 
縁組の当事者の一方は、次に掲げる場合に限り、離縁の訴えを提起することができる。
一 他の一方から悪意で遺棄されたとき。
二 他の一方の生死が3年以上明らかでないとき。
三 その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。
2 第770条第2項の規定は、前項第1号及び第2号に掲げる場合について準用する。

民法 770条(裁判上の離婚)
2 裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、
一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

「つまり…、どういうことですか?」
「つまり、訴えによって離縁が認められるためには、
民法で列挙された理由が必要だということです。」
「なるほど。逆を言えば、例えば養親がネグレクト等で全然養子の面倒をみないというような
「悪意の遺棄」があった等の理由があれば、裁判所は離縁を認めるということですね。」
「そうですね。」
「普通養子縁組の養子離縁において
話し合いで決めるのが協議離縁。
離縁について争いがあるときは裁判上で離縁を決める。
ということですね?」
「はい、その通りです。」
(※裁判上の離縁には調停離縁や審判離縁もあります。
調停前置主義によって、まずは調停離縁をすることとなります。)
「ちなみに、裁判上の離縁を誰かに相談したい場合は、
弁護士さんもいいですけど、司法書士さんもいいです。
司法書士さんは裁判所への書類作成のプロですので、
実情に合わせた書面をきっちりと作成してくれるからです。」


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「特別養子縁組の養子離縁について教えてください。」
「特別養子縁組の場合、基本的に養子離縁は認められません。」
「あ、そうなんですか。」
「子の地位の安定のためです。
でも、やはりネグレクト等の虐待等のために、
子供の利益が著しく損なわれるような場合には、
家庭裁判所は離縁させることができます。」

第817条の10 (特別養子縁組の離縁) 
次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、
家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる。
一 養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。
二 実父母が相当の監護をすることができること。
2 離縁は、前項の規定による場合のほか、これをすることができない

「普通養子縁組のときと違って、協議離縁というものが存在しないんですね。」
「はい、そうなります。
ですので、特別養子縁組をする際は、
そのことも頭に入れておいて、強い覚悟をもって縁組しなければならないと
僕は思います。
ちなみに、特別養子縁組の離縁を考えた場合の相談先についても
弁護士さんももちろんいいですけど、司法書士さんも強い味方となってくれます。」


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